太陽と月

2人でトイレに行くなり、美月が私に問いかける。


「なぁ!卓也さん脈ありかな?どう思う?」そう不安そうな顔を私に向ける。


どうなんだろ…あまり色恋沙汰事は分からない…


「うん!いい感じだと思ったよ!」美月を傷つけたくない一心で嘘をついた。


「ほんまに?良かったぁ」と嬉しそうに笑う美月を見て胸がチクリとした。


「この後遊園地やから楽しもな!」そう言って私に微笑みかけてくれた。


私もそれに笑顔で応える。







「お待たせー!」席に座っていた2人の元に戻った。


「じゃあ行こうか」笑顔で卓也さんが席を立ち上がり、伝票を持つ。


1人幾らかな…頭の中で計算をした。


卓也さんが伝票をレジの人に渡すとレジの人が


「7,140円になります」と言う。


1人…2,380円…そう思い財布を出そうとすると


「あっここ俺払うからいいよ」の制止された。


たまたま目に入った卓也さんの財布。


凄い…万札が何枚も見えた。


この時に気付けば良かった。


いくらバイトをしてると言っても高校生が持つには多すぎるお金の不信感に…。


「でも…」戸惑う私達に


「いいのいいの!ここは卓也に花持たせてやって!」そうニカっと笑うタケさん。


レジの前で押し問答するのもどうかと思い、ありがたくご馳走してもらう事にした。
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