太陽と月
「それいいやん!賛成!」待ってましたと言わんばかりに美月が笑顔で手を挙げて賛成をする。


「オッケ~!じゃあ18時にここで待ち合わせね」と卓也さんが言った。


時計を見ると14時。4時間も知り合ったばかりのタケさんと過ごすのかと思うと少し気持ちが重くなった。


美月と卓也さんはあっと言う間に人ごみに消えていく。


「さて、椿ちゃん。俺らはどうしますか?」と少し困った笑顔を向けられた。


「あ~私遊園地って来た事なくて・・・」と言うと驚いた表情のタクさんがいた。


しまった・・。この年で遊園地に来た事無いなんて可笑しいよね。
と思っていると


「じゃあ!初体験な訳だ!こんな俺とだけど楽しみますか!」とあの無邪気な笑顔を見せてくれる。


「はい!」私も笑顔で返事をしたけど、心の中で今隣に居るのがタケさんじゃなくて、
颯介が良かったと思う私は最低だと思った。


そんな私の汚い心に気付く事もなく、園内の地図が載っているパンフレットを見て
「何がいい?」と聞いてくれた。


「う~ん・・・。タケさんにお任せします!」そう言うと


「じゃあアレから行きますか!」と指差した先に見えたのは巨大なジェットコースターだった。











「ギャ―――――――!!」急下降したり、ぐるぐる回るジェットコースターの前のバーに必死にしがみつく。


隣ではタケさんが余裕そうに両手を天に向けて楽しんでいる。


初めてのジェットコースターはこの世の物とは思えないくらい怖くて仕方なかった。


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