太陽と月
「椿ちゃん大丈夫?ジェットコースターから降りてフラフラしている私を心配そうに見てくるタケさん。


「だ・・・大丈夫・・・」目がまだグルグル回っている感じかした。


「とりあえず座ろうか?」とベンチを指さしてくれた。


一刻も早く座って休憩したかったので、返事をせずにベンチに座った。



「俺、飲み物買って来るからここで待ってな」


そう言うと、走って売店に向かってくれた。


2度とジェットコースターには乗らないそう固く決心をして少し目をつむった。



暫くすると、頬に冷たさを感じた。


「冷たい!」目を開けると、タケさんがジュースの缶を私の頬に当てていた。


「はい。オレンジで良かった?」と微笑みながら私に隣に腰を下ろす。



「ありがとうございます」私はジュースを受け取り一気に喉に流し込む。


少し気持ちが悪いのが治まった気がした。


「大丈夫?」そう心配そうに見てくれるタケさん。


「はい!ごめんなさい!あんなに怖いと思っていなくて」小さく呟く私を見ると今度は可笑しそうに笑った。



「あんなに叫んで、美人が台無しだったよ」と言われ恥ずかしくなった。



「まぁ~俺らはゆっくりしよ」とタケさん自身もジュースの蓋を開けて飲み始める。



暫く沈黙が続いたけど、その沈黙を破ったのはタケさんだった。


「美月ちゃんはやっぱり卓也に惚れてるよね?」と私に聞いてきた。


今更何を言ってるのだろう?あんな美月を見れば誰だって、卓也さんに惚れている事は分かる筈なのに・・・。


「まぁ・・・多分・・・」一応濁した様な返事をした。


「だよね・・・」奥歯に何か詰まった様な返事をされた事に何か違和感を感じた。



「卓也さんは美月の事をどう思っているんですか?」今度は私がタケさんに質問を投げ返した。

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