太陽と月
「タッタケさん!」男たちが一瞬で怯むのが声だけで分かった。


タケさん・・?


そう思い、声の持ち主の方を見ると昨日出会ったばかりのタケさんが立っていた。


「・・タケさん・・」私が小さく呟くと男たちが道をさっと開けた。


「お前ら何してんの?」タケさんが私達に近づいて来る。


男たちが少し怯えている事に感じる。


「いや・・・」口をモゴモゴとさせる男たちにもう1度聞く。


「何してんのかって聞いてるんだけど」その声と表情は昨日見たタケさんとは全く違って見えた。


一見、チャラそうに見えたけど昨日は優しく無邪気な笑顔で私と遊園地デートを楽しんでくれたタケさんからは想像が出来ないくらいのオーラを放っていた。


「ちょっと・・・遊んでやろうかと・・思って」


1番先に声をかけてきた男が、恐る恐る口に出す。


「ふーん。声かけるならもっとその辺の安い女に声かけろや」と言うと近くにあったビール瓶を入れるプラスチックの箱をガンっと蹴り飛ばした。


その音にビクっとした。


男たちはも同時にビクっと肩を上げ何も言えない状態だった。


「すみません・・・あの・・・この事・・タク・・


何かを言いかけた男は一瞬で地面にひれ伏せてしまった。


何が起こったか分からなかった。


ゲホゲホと男が苦しそうに息をする。


タケさんがその男の腹に蹴りを入れたのだ。


周りにいた男たちが一瞬で真っ青になるのが分かった。
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