太陽と月
自分の中でもこうもコロコロと信念が変わるのはどうかと思った。
でも今は、目の前の陽介と一緒に歩んでいきたいと思った。
ママを信じて、待つ。
来なければ、陽介と一緒に探しに行くんだ。
そう指切りをした。
大人っていつなるんだろう?
早く大人になりたい。
大人になって、陽介の後ろじゃなくて横に並んで生きていきたい。
出会ったばかりなのに、こんな風に誰かを思うなんて不思議だなぁと思った。
それから私達は他愛のない話をしてあの屋敷に帰った。
他愛のない話の中で色々と教えて貰った。
陽介はバスケ部のエースである事。
高校生になってもバスケ部に入る事。
好きな食べ物はグラタンで、嫌いな食べ物はナスビ。
好きな音楽は洋楽で、特に昔の洋楽が好きな事。
彼女はいない事。
今は女とか男とか関係なく、楽しく過ごしたい事。
真也さんの事を心から尊敬している事。
颯介とは、今はあまり喋らないけど
昔は本当の双子の様に仲が良かった事。
陽介は色んな事を教えてくれたけど、私には話す事が殆どない事を何だか恥ずかしいと思った。
そんな私に
『これからたくさんの思い出を作っていこう。椿がこれから出会う人に椿の事を話せるようにさ。』
君はいつだって、私の欲しい言葉をくれたね。