太陽と月

胴着を着た私は、パーカーとジーンズに着替えてパーティーの準備をした。


『椿!飾りつけのデザインすげーな』


私はリビングの飾り付けを自分でした。


『まぁね。下の子達の誕生日パーティーの飾り付けは私が担当だったから!』


自分で自分の誕生日パーティーの準備をするのは不思議な感じだったけど楽しかった。


ふと陽介を見ると顔に白い粉がついていた。


『陽介顔に何かついてるよ?』


と陽介に近付き指で粉を払う。


すると何故か顔を赤くして顔を背ける。


『うっうっせー!俺は料理してたんだよ!』


料理?と思った瞬間、


『陽介さん!またあんなにキッチンを汚して!どうしたらあんな事に…』


リビングのドアが荒々しく開いたと同時に小太りの女の人が入って来た。


女の人は陽介の隣にいる私を見ると、


『あらあら、初めまして。椿さんですね?私は西園家の家政婦をしている、荒木 マリ子です。』


とニコニコと笑って手を差し伸べてきた。


今日は色んな人と握手をする日だなぁと思いながら


『初めまして。椿です。宜しくお願いします。』


ニコニコと笑っていた、マリ子さんだったけど


手を離した瞬間、ギョロッと目を大きく見開き、陽介の方を見た。


『陽介さん!?何度言えば分かるんですか!?陽介さんはキッチン出入り禁止と言いましたよね?』


のグイグイ陽介に詰め寄る。


< 31 / 230 >

この作品をシェア

pagetop