太陽と月


2階の奥の部屋の扉を開いて驚いた。


大きな窓があり、大きなベット。
白い勉強机に、白いドレッサー。
基本的に白で統一されていた。


『うわぁー広ーい。』


思わず1人で声を漏らす。


本当にいいのであろうか?


こんな私がこんな暮らしを貰えて。


ほんの数時間前までお下がりの服を着て、下の子達の面倒に、洗濯、炊事、勉強、常に時間に追われていた。


全てはいい子でいる為だったから
苦痛だと感じた事はなかった。


ベットを見ると、大きな箱と小さな封筒が置いてあった。


近付いて見てみると、封筒には


to,椿 
from,真也

封筒の中を見ると1枚のメッセージカードが入っていた。



happybirthday椿
今日は仕事で帰れそうにない。
誕生日楽しんで。
幸多き1年にするように。


メッセージカードをベットに置き、大きな箱を開ける。



そこにはネイビーのワンピースが入っていた。


着てみると、ピッタリだった。
ゴージャス過ぎでもなく、子どもっぽくもない。


我ながら似合ってると思ってしまった。


ワンピースに身を包み、リビングの扉を開けた。



パパッーーーーン
< 37 / 230 >

この作品をシェア

pagetop