太陽と月


溜息をつく私に全く気付く事なく、陽介はズカズカと教室に入ってくる。


「椿!帰ろ!帰りに本屋さん行きたいんだよね」そうニコニコと笑う陽介は皆の注目の的だ。


静寂を破ったのは美月だった。


「あーーー!生徒会長やん!私も楽しい事めっちゃ好き!」

そう言って陽介にハイタッチを求める。


「よろしくー!」陽介も戸惑う事なく美月とハイタッチをする。


あぁやっぱりこの2人は似ている。
相手の心に躊躇なく飛び込んで来る。
それが決して不快なものでは無く、不思議と受け入れやすい。


「初めまして!西田 美月です!椿と友達になってもらってん」

そう陽介に話かける。


「西園 陽介です!椿と友達なってくれてありがとね。よろしく!」そう言ってニカッと笑った。


2人の会話は教室中に筒抜けだ。
このままだと…


「陽介さん!一緒に帰ろってどういう事?同じ苗字やし!まさか…」


ヤバイ。そう思った時


「2人は結婚してるとかーーー!?」

美月の意味不明な言葉が教室に響き渡った。
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