太陽と月

数名のクラスメートが一斉にこっちを見る。


「そうそう。俺ら結婚してるんだよねー!」そう言って私の肩をグッと引き寄せる陽介。


ほんと勘弁して欲しい…。


「えーー美男美女カップルやん!羨ましいわぁ!プロポーズは何処でしたんー?」


キャッキャと弾ける様な声で聞く美月に


「えーそれは言えないかなー。俺達の秘密!」


ほんといい加減にして欲しい…


「ってか結婚してないから!そもそも日本の法律でまだ結婚出来ない年だから!」
そう言って私は自分の肩から陽介の手を払いのけた。


一瞬教室中がシーーンとなる。


すると大きな笑い声がした。
陽介と椿が笑っている。


「椿、突っ込むの遅いわー!いつまで、このボケしなアカンねんやろ思ったわ」そう言ってケラケラ笑う美月の隣で


「いやー美月ちゃんのボケにボケのせてるのに椿の顔がみるみる怒っていくから面白かったよ」とニコニコ笑う。


やられた。
そう思うも心が弾んでるのが自分でも分かった。
楽しい、そう思った。

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