太陽と月
「お前そんな事言うなよなー!俺は初めの文面読んでる椿も格好よかった思ったよ。」私を見てニコリと笑ってくれた。
颯介は変わらず冷たい目をしたまま
「…仮面が剥がれ落ちなければいいね。」それだけ言うと振り向く事なく私達から遠ざかっていった。
「何だよ、あいつ。何言ってるのか分からないわ。ごめんなー椿?」そう言って私の顔を覗き込む。
私には意味は分かった。
颯介はいつも私の痛いところを突いてくる。
颯介が言う事はいつも正しかった。
例えそれが、人を傷つける様な言葉であっても…。人を恨みたくなる様な言葉であっても。
その後は2人で本屋さんに寄ってから家に帰った。
玄関の扉を開けると、また2人が立っていた。
河口さんと天宮さんだ。
陽介と顔を見合わせて、時計をチラっと見た。
時計は16:07をさしていた。
2人で同時に声を出す。
「「遅れてごめんなさい!」」
今日は陽介が家庭教師で私が武道の日だったのだ。