太陽と月

私は一度目を閉じて、彼の言葉を復唱した。


そして、彼に言う。


『約束する。誇りと完全なる美しさを持ち強くなる。』


そう言うと彼は、私を抱き締めた。


抱き締めて1番聞きたかった言葉を言ってくれた。


『今までよく頑張ったな。いい子だ。』


思わず、泣きそうになった。


泣くもんかと唇を噛みしめる。


男は優しい声で言う。


『椿、今は泣いていい。思いっきり泣け。』


その一言で私の涙腺は完全に壊れた。


まるで小さな子ども様にワンワンと泣いた。


私はママに捨てられた。


それが現実。


抱き締めてくれる人はもう居ない。


これからは、1人なんだと。


暫く泣くとスッキリして、男から離れた。
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