太陽と月

陰から声がした。


「怖いよねーー。でも女の子の睨んだ顔ってゾクゾクする」そうクスクス笑っていた。


声の持ち主は、ついさっきまで一緒に居た純平だった。


「進藤先輩!」純平は倉庫の上から私を見ていた。よく見ると左の頬が赤くなっていた。


さっきの音は頬を叩かれた音だったんだ。


「たっ叩かれたんですか?」


「叩かれたのー!」そうワザとらしく悲しい声を出す。


そう言って、手招きをする。
上がって来いって事?


私はハシゴを登り、純平の元に行った。


少しだけ空が近く感じた。


「今日はいい天気だよねー!こんな天気のいい日はサボるに限る!」そう言って、手を広げその場に寝転ぶ。


「ほっぺた叩かれたんですか?」そう聞くと


「何?心配してくれているの?」そう聞かれた。


心配…?


直ぐに答えを出せない私に純平は


「…椿ちゃんはまだまだだねー」そう笑った。


どういう意味か分からず、更に黙り込む私。


「黙っちゃった!」そうケラケラと笑われた。


「さっきの子、俺の事好きなんだってー!だからさ、一発ヤレルと思ったら、バッチーンだよ!」と笑いながら言った。
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