太陽と月

背筋がゾクっとした。
この目を最近見た気がする。
怖いと思う反面、近付きたいとも思う。


そう、颯介と同じ目をしている。


「…私は…どっちの世界とか…分かりません!自分が信じた道を…」下を向き言葉を詰まらせる私に


「ごめんごめん。」そう謝られた。見上げて純平の顔をみると、そこには穏やかな笑顔があった。


「意地悪し過ぎたね。あっ!意地悪した事は颯介には秘密ね!」そう鼻に人差し指を当ていたずらっ子の様に笑った。


じゃあまたね!そう手を振り純平は去って行った。


私は、純平の頬を叩いた自分の右手を見つめる。
叩いた事に後悔はしなかった。


その時、5時間目が終わるチャイムが鳴り、私はハッとした。


今日はこのまま帰ろうと思い、カバンを取りに行かず学校を後にした。
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