太陽と月
学校を出て、街に行く。
相変わらず今日も街は賑わっていた。
その賑わいと一変して、静寂に包まれた道があった。
暗くて音が聞こえない。
そこは、始めて陽介と街に来た時に
“世界が違うから入っちゃダメだ”そう言われた。
私はさっきの純平の言葉が頭の中で繰り返される。
“中途半端”
それが何故か私を苛立たせた。
私は小さく息を吸い、暗い街に一歩踏み入ろうとした時、
ガっと左手首を掴まれた。
振り向くとそこには、息を切らした
陽介がいた。
私は何度もこの手に救われた。
時にはこの手を離したいと思った時もあったけど、貴方は決してこの手を離さないでいてくれたね。
それなのに、私は貴方の手を離してしまった--------。