太陽と月
君に守られた日
「よっ陽介!」私は驚いた。どうしてここに陽介が居るんだろう。
ハァハァと息を切らしながら
「教室から校庭見てたら、椿が出ていくの見えて、追い掛けて来たんだよ。」そう言って汗を拭う。
学校をサボってしまった事がバレてしまった。
「椿!こっちの街には行っちゃダメって言っただろ!?」そう珍しく声を少しだけ荒げる。
「…ごめんなさい…」小さく謝る私。
「それは、どっちに、対するごめんなさい?」陽介は少し厳しい目つきで私に問いかける。
「…どっちの?」私は意味が理解出来ずに聞く。
「授業サボってごめんなさい?それともこっちの街に行こうとしてごめんなさい?」
あぁそう言う事か。そうか、私は午後からの授業サボって街に来たんだ。
「…両方です。ごめんなさい。」そう頭を下げた。
陽介の前だと素直に謝れたし、反省する事も出来た。
“いい子”でいれた。
すると陽介はニコっと笑ってくれた。
「授業サボった事も街に入ろうとした事もいけない事だけど、素直に謝れる椿はいい子だ。もうやっちゃ駄目だよ。」
そう頭を撫でてくれた。
私は何だか無性に泣きたくなった。
そんな私に陽介は気付く事はなく
一緒に学校に戻ろうと行って、2人で来た道を戻った。
学校までに戻ってる最中に陽介は
自分の信念を話してくれた。
自分は絶対に、真也さんの右腕になって世の中で困ってる子ども達を救いたいと。
その為には、勉強も武道も精一杯やると決めてる事。勉強は苦手だけど、真也さんの右腕になる為には必要な事だと思ってるって。
施設にいた自分を進学校に入れて貰って何不自由ない生活をさして貰ってる事に心から感謝をしていて、必ず恩返しをしたいと決めていると。
陽介はそう曇りのない目で語ってくれた。
君はいつもそうだったね。
どんな時も弱音を吐く事なく、自分の信念を貫き通した。
私はそんな君を尊敬すると同時に
妬んだ事もあった。
君は私には眩し過ぎたんだねーーー。