大きな子供
「青!!」
学校に着いてから2時間後、息を切らして幼馴染の松前 健(マツマエ タケル)が教室に飛び込む。
「お前、せめて俺を起こしてから学校に行けよ!」
「いやよ、私が行く時間だと健は二度寝するのがオチだもの。」
「なんでそんな早いんだよ!」
これはすでに1年間恒例となった風景。少し変わったのはフロアが二階になり、私たちにも後輩ができたということだろうか。
「まぁーた松前夫婦が騒いでる」
「お調子者の健としっかり者の萩野はいいバランスだよなぁ」
クラスメイトが聞こえるように冷やかす。
「ちょっと〜、健の面倒なんて見てあげるの高校生までなんだからね」
「おいおい、とか言って、お前俺がいなかったら…」
健が続きを話そうとするが両手で口をふさぐ。
「ちょっと!!!!」