大きな子供
耳をぐっと引っ張って健を引き寄せる。

「…バラしたら殺すわよ?」

健の目が泳ぎ、あたりの空気が一瞬止まる。

かと思いきや、クラス中が笑いに包まれる。

「ほんと、健は青のどんな弱み握ってんだよなー!」
「まあ、結局尻に敷かれてるのも健だけどな!」

ここまでが、1年間の恒例の流れだった。

最初こそ気にはなられていたものの、結局バラさない健にみんなが慣れて、バレずにすんでいる。

そう、私の秘密とはーーーー。
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