大人の女に手を出さないで下さい
馴れないトミちゃんの接近に顔が引き吊りつつ、梨香子と話す男性が気になって聞いてみた。

「あ、いや、あの方は誰なんでしょうか？楽しそうに話してますが…」

「あら！見たことないイケメン！誰かしら！あたしちょっと聞いてくるわね！」

「あっ！ちょ…」

イケメンに目が無いトミちゃんは蒼士の静止も構わず行ってしまった。
蒼士はどうしたものかと考えつつ気になるものだからそこを離れることなくうろうろうろうろ。
様子を見てみると梨香子達の間にトミちゃんが参戦したものだから元倉の笑顔が引きつっている。
そうだよなあ、昨日の俺もそうだった。
と、初対面のトミちゃんになんて言っていいかわからなかった昨日を思い出す。
それと同時に雷が鳴った時の肝の座った梨香子を思い出した。
蒼士が梨香子に抱いた印象は凛々しくて頼り甲斐のある大人の女性。

それとは違う何かが蒼士の中に芽生えた気がしてそれが何なのか確かめる為に今日も来たのだが、3人で盛り上がってるのを見てなぜだかいたたまれなくなってその場を後にした。

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