大人の女に手を出さないで下さい
ジム通いが趣味のトミちゃんの体は正にムキムキでボディビルのよう。
そんなムキムキにはなりたくないと梨香子は速攻断った。
残念そうなトミちゃんを余所に梨香子は頬を摩る。

「カサカサだったお肌は頑張ってケアするようになって改善されて来たけど、体のラインはそうそう変わらないのよ…こんなの蒼士くんに見せられない…」

「そんな心配いらないと思うがな…」

ふふっと笑うツクヨミさんに梨香子は曖昧に笑い返す。

「そうよ!蒼士くんはリカちゃんにベタ惚れなのよ!そんな身体の弛みぐらいで愛想尽かすなんてありえないから!」

「だから!声大きいってば!」

恥ずかしそうにする梨香子に憤慨するトミちゃんに大笑いするツクヨミさん。
カオスな状況に周囲の人たちは何事かと遠巻きに見ていた。

「もう恥ずかしい…」

とうとう顔を覆ってしまった梨香子にトミちゃんは冷静さを取り戻して優しく諭す。

「リカちゃんの心配も分かるけど、ずっと待ってる蒼士くんの事も考えてあげたら?絶対リカちゃんの事嫌ったりしないと思う。蒼士くんの愛を信じてあげなよ」

「うん…そうなんだけど…」

「なに?まだなんかあんの?」

顔を覆ったまま肩を竦めた梨香子ははあ~と盛大にため息を吐き俯いたまま言った。

「私…不感症かもしれない…」

「…はっ!?」

ぼそぼそと小さく呟いた言葉に一瞬理解できなかったトミちゃんは大きく仰け反った。

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