大人の女に手を出さないで下さい
旅は企なり
そして、蒼士は旅行前の追い込みで多忙を極め、久々に会ったのはツアー当日の空港だった。
午後3時のフライト、ツアー客は全部で20名ほど。それに添乗員が1名、元倉を初めとしたスパイスライフの社員が5名。
参加した客は皆同業者とあって集合した途端に名刺交換が始まった。
そして少し遅れてきた蒼士と合流、直ぐにチェックインが始まり飛行機に乗り込むことになった。
「遅くなってごめん、ちょっと仕事でトラブルがあって」
「え?大丈夫?」
「ああ、大丈夫問題ない」
「遅れたままでも良かったんですけどね、置いてくから」
並んで搭乗を待っていたとき話していると後ろにいた元倉が蒼士にしか聞こえない声でぼそっと呟いた。
「今日の日を誰よりも楽しみにしてたんだ、何があっても来るよ。誰かさんに邪魔されたくは無いな」
元倉はまだ梨香子の事を諦めて無いらしい。妻子がいるのに呆れる。牽制のために後ろを振り向き細い目で元倉を睨むとバチバチと火花が散る。
「え?」
何も気付いていない梨香子に蒼士は何でもないようにニコリと笑った。
シートに座り落ち着くと隣にいた60代くらいの女性が話しかけてきた。
「さっき言ってた婚約者の方?素敵な方ね」
「ふふ、ありがとうございます」
「え?なに?」
梨香子とその女性が親し気に話してるのが気になって蒼士は首を傾げる。
午後3時のフライト、ツアー客は全部で20名ほど。それに添乗員が1名、元倉を初めとしたスパイスライフの社員が5名。
参加した客は皆同業者とあって集合した途端に名刺交換が始まった。
そして少し遅れてきた蒼士と合流、直ぐにチェックインが始まり飛行機に乗り込むことになった。
「遅くなってごめん、ちょっと仕事でトラブルがあって」
「え?大丈夫?」
「ああ、大丈夫問題ない」
「遅れたままでも良かったんですけどね、置いてくから」
並んで搭乗を待っていたとき話していると後ろにいた元倉が蒼士にしか聞こえない声でぼそっと呟いた。
「今日の日を誰よりも楽しみにしてたんだ、何があっても来るよ。誰かさんに邪魔されたくは無いな」
元倉はまだ梨香子の事を諦めて無いらしい。妻子がいるのに呆れる。牽制のために後ろを振り向き細い目で元倉を睨むとバチバチと火花が散る。
「え?」
何も気付いていない梨香子に蒼士は何でもないようにニコリと笑った。
シートに座り落ち着くと隣にいた60代くらいの女性が話しかけてきた。
「さっき言ってた婚約者の方?素敵な方ね」
「ふふ、ありがとうございます」
「え?なに?」
梨香子とその女性が親し気に話してるのが気になって蒼士は首を傾げる。