大人の女に手を出さないで下さい
12時間のフライトを終え日本に無事到着。
ツアー客のみんなと別れの挨拶を済ませそこで解散となった。

「ママ〜!おかえり〜!」

「英梨紗!迎えに来てくれたの?」

早朝の到着にも関わらず英梨紗が空港に迎えに来てくれた。
その横には英隆、ではなく、トミちゃんが待ち構えていた。

「トミちゃんも!迎えに来てくれたの?ありがとう!」

「お疲れ!リカちゃん!蒼士くん!ささ、帰るわよ!あたしの愛車に乗って!」

トミちゃんの愛車はゴツい顔の黒いワンボックスカー。
それに颯爽と乗り込みサングラスをかけるトミちゃんはどこぞの怖い人みたいだ。
空港から出できたツアー客の仲間達が遠巻きに自分達を見ていた。
トミちゃんはそんなの気にも留めず早く乗った乗ったと急かす。
トミちゃんは見た目と違って可愛らしい人なのよと、説明したかったけどきっと信じてもらえないだろう。
梨香子と蒼士は苦笑いでみんなに手を振った。

蒼士は助手席、梨香子と英梨紗は後ろに乗り込みルームミラー越しにトミちゃんが聞いてきた。

「旅行は楽しかった〜?」

「うん、とっても!掘り出し物もいっぱい見つけて来たしお土産もいっぱい買ったから楽しみにしててね〜」

「そうねー楽しみにしてるわ。でもそれよりあたしは土産話が聞きたいわ。リカちゃん少しは疲れて帰ってくると思ってたけど元気ねえ。肌艶もいいみたい」

そうなの?と、梨香子は自分の頬を触り飛行機では殆ど寝てたから旅行の疲れも取れたのかもと思った。

「そうかしら、たくさん寝たからかな?」

「ネたっっ!?」

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