大人の女に手を出さないで下さい
「ツクヨミさ〜ん、私とうとうセンタク間違っちゃった〜」

梨香子が失敗したあ〜と嘆いてるのを見て、センタクするほど状況は変わってないと思うけど…と、ツクヨミさんは首を傾げる。

「英梨紗の赤いTシャツとお気に入りの白いリネンシャツをうっかり一緒に洗っちゃったのよ〜！お陰で真っ白だったシャツがピンクの斑模様になっちゃったわよ〜」

ツクヨミさんの微妙な反応に気付かず梨香子はビールを煽り話した。
呆れたツクヨミさんははあっと大きなため息ひとつ。

「リカ…、センタクの意味が違う」

「え？洗濯のこと？」

「選択のこと、リカ、前にあたしが言ったこと忘れたの？」

「あ、ああ〜人生ががらりと変わる出会いの話？まだそんな出会いないと思うけど」

「もう、出会ってる。選択は４つ。どれを選んでもリカの人生が変わる」

「えー何それー…」

「それトミちゃんに聞いたあ〜！ママすごいじゃん！4つの選択？何何？教えてツクヨミさん！」

ツクヨミさんの占いが当たるのはわかってるけど自分のことに関しては当たる気がしない梨香子は引き気味で、対して英梨紗は前のめりでツクヨミさんの手を取って迫っている。
そんな英梨紗の手を冷静に引き剥がしツクヨミさんは言った。

「詳細は教えない。もうすぐ全てが揃う。一つだけ選んではいけない選択がある。それはリカを不幸にする」

「え！そんな怖いこと言わないでよ」

ツクヨミさんにじっと見つめられて梨香子は顔が引きつる。
このまま平穏無事に過ごせればいいと思ってるのに自分の選択で人生変わるなんて、しかも選択次第では不幸になるなんて怖いじゃないか。

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