大人の女に手を出さないで下さい
「リカが素直になれば不幸になることはない。だから、選択は間違わないように！」

「は、はい！」

間近に迫ってきたツクヨミさんの威圧感に梨香子は思わず返事をした。
にしても、何が選択肢で何を選べばいいのかさっぱりわからない。

「いずれリカにもわかる」

何も言わなくても解っているといるというようにツクヨミさんは頷いた。

「ねえねえ、ツクヨミさん！ママの事も気になるけどあたしの事も占って！」

可愛くおねだりする英梨紗にツクヨミさんは薄らと微笑んだ。

「好きな人がいるのだろう、でもまだ片思いだ」

「えっ！すごい！なんでわかるの！？」
「えっ！？英梨紗好きな人いるの！？」

母娘の声が重なった。
ぱっと顔を輝かせた英梨紗と違い、好きな人がいるなんて初耳の梨香子は大きな声で驚いた。
周りの視線に気付いて縮こまる梨香子。
蒼士も注目、アワアワする梨香子を可愛いなあとか思ってみてた。（惚れた欲目？）

「なになに～エリちゃん好きな人がいるのリカちゃんは知らなかったの～？」

トミちゃんが赤ら顔で参戦してきて梨香子は膨れ出した。

「どういうこと？トミちゃんは英梨紗に好きな人がいる事知ってたの？」

「そりゃあ、あたしたちメル友だし、人生の先輩として色々相談に乗ってあげてるのよ～」

「ひどい！英梨紗！なんでママに言ってくれないの！？」

「え～だってママに教えたら五月蠅そうなんだも～ん」

「そうよね～、リカちゃん知ったら絶対、あたしの大事な天使ちゃんが取られる！って大騒ぎするじゃない」

ねえ～！なんて言って英梨紗とトミちゃんは調子を合わせる。
梨香子は膨らませた頬をぷう～っと破裂させて大きなため息を吐いた。

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