大人の女に手を出さないで下さい
「そんな事、言うわけないじゃない。相手が蒼士くんとかなら言うけど」

自分の名前が聞こえて蒼士はなぬっ?と梨香子たちを見やる

「ママは英梨紗には素敵な恋をして欲しいって思ってるんだから」

「え、ママ…」

「以外!リカちゃん絶対彼氏なんてダメダメ~!って言いそうなのに!」

意外と梨香子は英梨紗が彼氏を作っても寛大らしい。
絶対反対されると思った英梨紗は拍子抜けしてしまった。

「ママは英梨紗に素敵な恋愛をして、いつか幸せな結婚して欲しいって思ってるんだよ?もしママが離婚したせいで結婚したくないとか思ってたらどうしようって思うけど…」

初めて聞いた母の想いに英梨紗は胸にぐっと来て梨香子の手を取った。

「あたし!結婚したくないなんて思ってないよ!ママとパパは離婚しちゃったけど二人とも傍に居てくれるし子供にはわからないことがあったんだなって今は理解してるつもりだし!」

「英梨紗…」

「ママに好きな人を教えなかったのはごめんなさい。絶対反対されると思ったから」

「そっか、だから何度好きな人できた?って聞いても教えてくれなかったのね」

「リカちゃんが過保護すぎるからエリちゃんも心配しちゃったんじゃないの?」

トミちゃんの言葉にちょっと寂しそうな顔をした梨香子が握ってくる英梨紗の手の上に自分の手を乗せた。

「そうだよね、ちょっと過保護すぎたよね、ごめんね英梨紗。ママは英梨紗の恋を応援するよ?これからは何でも話してほしいな」

「うん、これからは何でも話すね!ママにも聞いて欲しいあたしの好きな人!」

「うん、でも!ろくでもない男だったら例え英梨紗が好きでも許しません!ママが見極めてあげます!」

「ママ…それが心配のタネなんだって…」

はあ~っと英梨紗はため息を着いた。

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