恋×チョコレート
「そうだね、ここじゃちょっと人が多すぎるね〜」

ノエルはそう言いながらも、菜月を抱きしめ続ける。頭にキスを落とされ、菜月はびくりと体を震わせた。

「 Ieuke!(可愛い!)」

やっとノエルは菜月を離したかと思うと、菜月の真っ赤な顔を見つめてフニャリと笑う。菜月は胸がドキドキし、思わず目をそらしてしまった。

「こっちに行こっか?」

ノエルはそう言い、菜月の手をつなぐ。そして人混みをかき分けて、菜月を人気のない場所へと連れて行った。

「ノ、ノエル……」

菜月の目の前にはノエルの顔。裏路地の壁に菜月は押し付けられていた。ノエルはニコニコしている。

「菜月はどんなことで悩んでるの?」

ニコニコしたままノエルは訊ねる。菜月は「な、何でもない……」と甘えられないことを気にしながら言った。

「ほんと?」

「ほんと……んんッ!?」

急に菜月はあごを掴まれ、ノエルに強引なキスをされる。何度も噛み付くようにキスをされ、初めての激しいキスに菜月は頭をクラクラさせた。腰にはノエルの腕が巻き付けられている。
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