女40歳、お嫁にもらってもらいます!
「…キスを交わした間柄なのに、そんな反応は辛いな。」

そんなセリフを吐きながらも、主任は楽しそうに笑う。

「係長は不器用ですね。」

主任は私の手を書類から離すと、私の手の甲にキスをした。

「…早川くん!休戦中なんでしょう。」

思わずそう口走った私に、主任がニヤリと笑った。

「やっぱり大野は抜け駆けをしているんですね?」

私はすっかり主任の術中にはまっている。

「でも様子を伺っていると、俺の有利な方向に動いているような気がしますね。」

主任はなかなか鋭い所を突いてくる。

「大野と喧嘩でもしましたか?目も合わせないようですが。」

「…仕事の話をしましょう。」

私はゆっくりと書類に視線を落とした。

「そうですね。話は二人きりの時にしましょう。」

< 104 / 225 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop