女40歳、お嫁にもらってもらいます!
私が窓へ視線を戻そうとした時、そっと背中に主任の手が回った。

「あのね…。」

私の陳腐な言葉は、主任の行動に吹き飛んでしまった。

それは長い長いキスだった。

主任のその力強さに私は全く抵抗も出来ない。

いつの間にか私は肩で息をしていた。

「こんなにあなたの事を思っているんですがね…。」

「早川くん、いい加減にして。」

私はどうしてこう隙を見せてしまうんだろう。

あの時、大野くんにも…。

いいえ、大野くんについては今は関係ない。

「係長、何を考えているんですか?」

主任の顔つきが少し変わったように見えた。

「…やっぱり大野の事なんでしょう?」

< 108 / 225 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop