女40歳、お嫁にもらってもらいます!
そして私は一瞬立ち止まった。

「そんな仕事への気持ち、主任が一番分かってくれると思っていたわ!」

主任も立ち止まって何か言おうとしたが、それを諦めたようだ。

私はそんな主任を今度こそ置き去りにして、全速力で走る。

やっぱり今は恋愛やら結婚やら言っている暇はない。

私は気ばかり焦っていた。

大野くんの事が頭の片隅にあるのは否定できない。

でもまずはこのプロジェクトをやり遂げるんだ。

意気込みだけは立派だったが…、40歳の女の全速力は辛い。

もう心臓が煽って、おかしくなるかと思った。

「すいません、乗ります!」

大人げない駆け込み乗車をした私は、何とか最終の新幹線に乗り込んだ。

運よく自由席が一つ空いていて、座ることが出来た。

隣の人が驚いてこちらを振り向くぐらい、荒い呼吸をした私。

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