女40歳、お嫁にもらってもらいます!
主任と泊まる事を良しとしなかった理由。

何かの折に、私の中に浮かんでくるのは大野くんばかりだった。

「…郁美?」

大野くんがこちらを振り返った。

「こ…、晃太朗…、私を受け止めて…。」

やっぱりこの人しかいない。

こんな私を無条件で受け止めてくれる人。

仕事抜きで私を見つめてくれる人。

部長も主任も私には仕事の上で大切な人だけれど…。

「あの時はごめんなさい。私…、私…。」

温かい大野くんの身体が私をふわりと包む。

そして大野くんは私の耳元でつぶやいた。

「…もう、離しませんよ。」

大野くんの腕に力が入った。

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