女40歳、お嫁にもらってもらいます!
私はそっと首を回し、晃太朗を伺ってみる。

若いよね…。

無邪気にさえ見える、その表情。

20代と40代の差をじわじわと感じる。

私は晃太朗に何かしてあげる事が出来るんだろうか。

恋愛に損得は関係ないと言うけれど、どう考えても貧乏くじを引いているのは晃太朗の方だと思う。

私が一度はすんなり晃太朗の好意を受け止められなかったのは、きっとそういう事を本能の部分で感じてしまったことも一因なんだろう。

「絶対晃太朗が損しているよね…。」

思わずそんなセリフが私から漏れた。

私は晃太朗から手を離すと、晃太朗に背を向けて寝返りを打つ。

そして掛布団を引き寄せる。

さっきはこんな迷いもなく、晃太朗の胸に飛び込めたんだけどな。

歳を重ねると、情けないくらい慎重になってしまう。

< 122 / 225 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop