女40歳、お嫁にもらってもらいます!
拗ねたような可愛い表情の晃太朗に、後ろ髪を引かれる思いで私は会社へ向かった。

「良いんだよね、これで。」

私は大きく息を吐く。

晃太朗も大事だけれど、やっぱりこのプロジェクトもやり遂げなければならない。

その辺のメリハリはちゃんとつけるつもりだけれど…。

「大丈夫かな、私。」

今度は会社に入る前に、大きな深呼吸をした。

いつもの自分に戻って、きちんと仕事に向き合わなくちゃ。

私はゆっくりと大股で自分達のオフィスに入った。

「あれ?山本さんは出張じゃなかった?」

その大人の低い声は私の姿に驚いたように言った。

「部長も休日出勤ですか?」

私のそんな声に大人の笑顔を見せる部長。

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