女40歳、お嫁にもらってもらいます!
部長は黙ったままだ。

しばらく沈黙が続いた。

「…まあ、よく考えてみる事だな。」

部長はチラリと大野くんを見て言った。

そして今度は私の方を見た。

「あまり時間は与えられないかもしれない。賢明な答えを待っているよ。」

怖い…。

私は咄嗟にそう感じた。

部長はそのままオフィスを出て行った。

私と晃太朗は立ち尽くしていた。

そして晃太朗が口を開いた。

「…やっぱり今日は帰ります。きっと仕事にならないから。」

晃太朗は固い表情のまま、一瞬私に目を合わせたが、すぐに逸らせた。

彼の名前を呼びたいのに、喉が詰まって声が出ない。

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