女40歳、お嫁にもらってもらいます!
「俺には係長の素を感じる機会も得られなかったって事なのかな。これだけそばに居たつもりだったのに…。」

主任は肩を落とす。

「そうですね。だって係長は結婚どころか恋愛も諦めたと公言していたくらいなんですよ。それを言わせる前に、主任は係長の気持ちを掴まなくてはいけなかったんですよ、きっと。」

にっこりと西田は主任に笑いかける。

「悔しいな。時間はたくさんあったのに。」

「きっと時間じゃないわ。」

私はポツリと言葉を漏らす。

「大野くんの存在は、私の中にスッと自然に入り込んでしまったの。不思議ね。」

私は弱々しい笑顔を主任に向ける。

「それだけ分かっていたら、もう充分なんじゃないですか。」

そう言いながらも、今度は西田が私を心配そうに見た。

その様子に主任も何かを感じたようだ。

「…何かあったんですか?係長。」

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