女40歳、お嫁にもらってもらいます!
帰り際、主任が家まで送ると言って利かなかった。

「大丈夫よ、若い女の子じゃないんだから。」

私はニッコリと笑って、主任を見送るつもりだった。

「…郁美さんは分かっていない…。」

主任は大きく溜息をついた。

「何歳の女性であろうと、自分が好きな女性をこんな時間に一人で帰らせるなんて、俺には出来ませんから。」

主任のその言葉に、西田が苦笑いをする。

「それなら俺が送りますよ。」

気を利かせたつもりか、小島くんはそんな風に言った。

「小島よ、それは俺が許さないよ。」

主任の目が鋭くなった。

「…小島くん、ありがとう。でもここは主任に任せましょう。」

西田もそういうしかないようだった。

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