女40歳、お嫁にもらってもらいます!
「その代り、絶対に係長を困らせないで下さいね、主任。」

西田はその事を何度も主任に念を押した。

「では、また会社で。」

「今日はありがとうね。」

そんな挨拶を交わしながら、私と主任は西田の家を後にした。

しばらく無言で歩いていると、主任がクスリと笑った。

「大丈夫ですよ、そんなに緊張しないで下さい。」

私は申し訳なさそうに、主任の方を振り返った。

「本当にごめんなさいね。私はやっぱり主任の事は…。」

「ははは、いきなりそれですか。」

主任は少し困ったような表情をする。

「…もう分かっていますから。これでもずっとあなたを見て来たんですよ。プライベートではどうあがいても、あなたのパートナーにはなれない。」

主任に言われる“あなた”という言葉が仕事上の私の役職を取り払ってくれるようだ。

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