女40歳、お嫁にもらってもらいます!
私はそうぽつりとつぶやくと、ゆっくり大股で歩き出す。

「う…、うっ…。」

自覚をしないという事は、罪なのかもしれない。

部長にも主任にも答えられない私が、仕事以外で幸せを求めてはいけなかったんだ。

ぽろぽろと零れ落ちて来る涙をぬぐうだけの余裕すら、今の私にない。

段々涙が私の視覚を奪う。

「あっ…。」

私は躓いてその場にへたり込んだ。

自分の気持ちがコンロトールできない。

私は嗚咽が止まらない自分をただただ受け入れるしかなかった。

「こ…、こうた…。」

もう好きな人の名前すらまともに呼べない。

「郁美さん…。」

私はその声に顔を上げることが出来ない。

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