女40歳、お嫁にもらってもらいます!
そんな風にとぼけて笑う主任に、思わず私も笑みがこぼれる。

「…ありがとう…。本当に助かった。」

私のポツリとこぼしたセリフに、主任の顔が歪む。

「こんな事じゃ、俺はいつまでたっても諦められない。」

身体を起こそうとした私を、主任はそれを力強く遮った。

「主任…?」

「あなたは分かっていない…、そこは名前を呼ぶところでしょう。今がどういう状況なのか、気が付いていますか?」

主任が私の上から覆いかぶさる。

「郁美さんが悪いんですよ。俺の横でそんな安心した寝顔を見せるんですから…。」

「えっ?」

「あなたが欲しい…。」

「でも…。」

私はそっと目をつぶる。

< 171 / 225 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop