女40歳、お嫁にもらってもらいます!
今更、私が主任を拒むことが出来るだろうか。

瞼の裏に、晃太朗の太陽のような笑顔が浮かんだ。

そして一筋の涙がこぼれた。

「俺には言わないんですか?」

主任の顔が真剣さを増していく。

「“ここで私を抱くなら、結婚してもらうわよ。”…でしたっけ?」

私はそっと目を開けた。

ハラハラと頬を伝う涙は止まる気配はない。

「俺なら…、俺なら…。」

主任が私から視線を逸らせた。

「…結婚は出来ないけど…。」

私はそっと両手で主任の顔を包んだ。

「…あなたの好きにして。構わない。」

そして主任の顔を引き寄せると、自分から唇を重ねる。

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