女40歳、お嫁にもらってもらいます！

何て歯切れの悪いセリフなのだろう。

私のそんな様子を見て、諦めたように晃太朗は口を開いた。

「…親の会社に戻されることになったんです。そして…。」

何とも苦い表情をした後で、意を決したように晃太朗はこう言った。

「結婚を考えているんです。」

私は驚きで、その場に立ち尽くしてしまった。

今…、晃太朗は何て言った？

結婚？

もちろん私とではない…、それなら誰と…？

「すいません、これ以上は。相手の事もありますから。」

私は昨日のあの場面が目の前に広がった。

私は目をつぶって、大きく息を吸い込んだ。

落ち着け…、落ち着くんだ、私。

「じゃあ、係長を…、郁美さんが俺と結婚しても良いんだな？」