女40歳、お嫁にもらってもらいます!
「誤解しないでくれ。私は本当に自分の本意で君にプロポーズをした。でもその事が晃太朗の思いに火をつけてしまうなんて思ってもいなかったのだから。」

やっといつもの部長の笑みが漏れた。

「…君はそれだけ魅力がある女性だと思うよ。」

「からかわないで下さい。」

私も少し表情を緩めた。

「私は恋愛も結婚も諦めて、仕事にのめり込んだ女なんです。」

私は諦めた笑いを浮かべる。

「そう、そんな山本さんがもどかしかった。私のそばで、自分が素晴らしい女性だという事を自覚してもらいたいと思った。それが一緒に生活をしたいと思った理由の一つでもある。」

部長のその表情は決して嘘を言っているようには見えなかった。

「…晃太朗は…、仕事の何たるかを身につけさせて、先輩に返さなければならない大事な人材だ。」

このプロジェクトの事を引き合いに出したのは、部長らしくないと思っていた。

そうか、こういう理由があったんだ。

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