女40歳、お嫁にもらってもらいます!
部長の顔に赤みが差す。

「早川くんのことが引っかかっているのも本音だ。でも君のこれからの人生を私に預けて欲しい。」

食事を終えると、その場で私達は別れた。

私は部長と一緒にオフィスへ帰る事が出来そうになかったからだ。

でも、私もショックだったけど、部長からあんな態度を取られた晃太朗はもっとショックだっただろう。

父親が自分を託した部長からプロジェクトを外すと言われるなんて。

あれだけ張り切っていたのに。

そんな時、私は自分と仕事の事しか考えられなかった。

これは…、私が招いた結果なのだ。

晃太朗を巻き込んでしまった事を…、いや、彼を好きになってしまった事が逆に彼を苦しめてしまった…。

40歳になったのに、全然周りの事に気を配れなかった。

年だけを重ねるだけで、私は全く大人になりきれていない。

やっと自分の気持ちに気が付いた時にはこんな結論が待っているなんて。

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