女40歳、お嫁にもらってもらいます!
明日からはまさに自分の力で生きていかなくてはならない。

「何でこんな道を選んじゃったんだろうな。会社にいたらお給料は確保されていたんだけどな。」

これからの事を考えると、少々気が重い。

確かに今の会社から仕事は回してもらえるけれど、それをちゃんと回していかなければ、いつその下請け関係を打ち切られても文句も言えない。

「…俺のせいですか?」

私はハッとして、思わず振り返る。

「大野くん…?」

はあはあと息を切らせた大野くんの姿が私の目に映る。

そう…、この会社に残るには大野くんとの思い出が多すぎる。

例え大野くんがこの会社を去っても、私はこの会社のあちらこちらに大野くんの面影を追い求めてしまう。

それが一因であることは否めない。

でも…。

「違うわよ。すべてを一からやり直したかったの。仕事は当然だけれど、人間関係も自分自身も。だからそんな心配をしないで良いのよ。」

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