女40歳、お嫁にもらってもらいます!
「…郁美さん、別の会社に就職するつもりはないですか?」

私は大野くんが何を考えているのか分からなかった。

取りあえず、この体勢を解消しなくては…。

私は大野くんから離れようとする。

「この年齢ですべて初めからは大変でしょう?」

心なしか、大野くんの手に力が加わったような気がする。

「大丈夫よ。もう少し家賃の低い所に引っ越す予定だし、仕事だって誰かを雇わずに一人でしていくつもりだし。」

私は必死に抵抗を試みる。

「家賃だってかかりませんよ?」

やっと私は大野くんの胸から脱出した。

「はっきり言うわ、何度でも。私は恋愛も結婚も諦めて一人で生きていかなくてはならないの。誰の手も借りるわけにはいかないわ。」

そう…、特に大野くんにはね。

いい加減に気が付いて欲しい。

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