女40歳、お嫁にもらってもらいます！

大野くんが一瞬私の方に顔を向けたが、またすぐに元の視線に戻った。

「どうも彼女にも好きな人が出来たようで…、二人で両方の親に掛け合ったんです。お互いに好きな人が出来たので、この縁談は解消したいと。」

私の知らない事がまだまだありそうだ。

「彼女はあなたの事を聞きたがりました。彼女は俺が郁美さんと結婚すると思い込んでいました。まあ、すべてを話す必要もないと思ってそのままにしていたのですが…、その点ではあなたに迷惑をかけたようですね。」

ああ…、あの女性。

確かに男性と一緒だった。

そういう事だったんだ。

「俺がプロジェクトで変更を伝え忘れて、迷惑をかけた事があったでしょう？実はあの前に部長と話す機会がありまして…。」

私はすっと目を閉じた。

少し頭の整理が必要かもしれない。

「俺と実家、そして部長との関係すべてを郁美さんに話したと聞いたんです。」

「それであんなミスを？」