女40歳、お嫁にもらってもらいます!
「えっ?」

私のその反応に大野くんはハンドルにうつ伏せた。

「そんなの決まっているじゃないですか!あなたを‥、郁美を愛してしまったから…、あなたの思う通りに生きて欲しかったんです。」

大野くんの愛し方は、どうやら部長や主任とのそれとはどうやら違うみたいだ。

部長や主任は思いきり自分の思いを私にぶつけて来た。

でも、その方法がすべての人に当てはまるとは限らないみたいだ。

「両親も何とか説き伏せました。それに3か月もかかってしまったんです。いや、このプロジェクトの邪魔はしたくなかった。」

大野くんの‥、晃太朗の胸に思わず飛び込んでしまった。

「あなたの事を‥、晃太朗の事をちゃんと忘れるためには、会社を辞めるしかなかった…。」

私を力いっぱい抱きしめてくれる晃太朗の腕。

もうこれ以外の物は要らない。

「仕事ではなく、俺を選んでくれたんですよね。こんなにはっきりした答えはない。」

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