女40歳、お嫁にもらってもらいます!
そうニッコリと笑う晃太朗が眩しい。

「永久就職で手を打ちませんか?」

「えっ?」

「ずっと一緒にいませんか?家庭でも会社でも。」

「晃太朗、言っている意味が分からない。」

晃太朗が私の額にそっとキスを落とす。

「こんな有能な奥さんを家庭内にとどめておくのはもったいない。」

「どういう事?」

「俺の父の言葉です。同じ業界ですから、当然父はあなたの事は知っています。ましては今回のプロジェクトの成功は注目の的だったんですから。」

私の驚きの表情を楽しそうに晃太朗は眺める。

「郁美と結婚することが俺の一番の手柄みたいですよ。」

晃太朗が車のエンジンをかけた。

「今から親と会ってもらいます。」

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