女40歳、お嫁にもらってもらいます！
私の口を自らの口で塞いだのは主任だった。

「分かっています、分かっているんですけど…。居てもたってもいられなくって追いかけてきてしまいました。」

主任の顔には明らかに焦りが出ていた。

「この休み中に何度も電話したのに一度も出なかったのは、大野と何かあったからなんですか？」

私はそんな主任をなだめるかのようにゆっくりと言葉を選びながら話す。

「そうだったの、電話に出られなくてごめんなさい。休みの日はあまりスマホを気にしていないから。」

ううん、ちゃんとそのたくさんの主任からの着信には気が付いていた。

でも…、出る気にもかけ直す気にもなれなかった。

もちろん部長からの着信に対しても。

「俺と付き合って下さい。いいえ、結婚して下さい。」

「あのね、主任。それは…。」

「係長！」

私は主任のその必死な声に一瞬声を失った。

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