女40歳、お嫁にもらってもらいます!
「あのね、私は先週40歳になって、もうそういう事から卒業した気でいたのよ。仕事で生きていく腹づもりだったのだから。」

「でも係長…。」

西田は一瞬不思議そうな顔をした。

「どうして大野にはそんな事を言ったんですか?卒業したはずの“結婚”って言葉を出すなんて。」

西田のその問いに、自分自身が唸ってしまった。

「ホント、そうだよね。もちろん焦って出た言葉だけど、今更だよね。」

“ここで私を抱くなら、結婚してもらうわよ。”

何でこんな事を言ったんだろう。

答えが出ないまま、西田のアパートに着いた。

「あれ、明かりがついていない?」

何度か泊った事のある西田の部屋を見上げる。

「ああ…、実は今、同棲していまして。」

「ええっ、それじゃあ、彼氏に悪いじゃない。」

< 51 / 225 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop