女40歳、お嫁にもらってもらいます!
「随分と疲れているように見えるのは、新しいプロジェクトのせい?」

部長と主任に一方的に気持ちをぶつけられてきた今日の私には、あまりに優し過ぎる言葉だった。

そんな気の緩んだ私の肩をそっと抱いた大野くん。

「郁美…。」

そんな優しい大野くんのキスを拒否しきれない。

「イヤ?」

唇を放すと、大野くんは私の顔をそっと覗きこむ。

私は何も言葉が浮かばなくて、ただ大野くんの顔を見つめるばかりだった。

「…それとも部長か主任と何かあった?」

私は静かに目を閉じて、表情を変える。

「大丈夫よ。いろんなことが同時に起こり過ぎて、さすがの私も動揺しているだけ。」

そんな私の言葉に、少しムッとした様な大野くん。

「そんな会社と同じ顔は要らないよ。」

< 73 / 225 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop