女40歳、お嫁にもらってもらいます!
「えっ?」

「俺の前では無理した、その頑張った表情をしないで下さい。」

「何言っているの?これが普通の私よ。」

私は少しムキになって言い返していた。

「…確かに俺は気の強い女性も好きなんですけどね…。」

大野くんのはにかんだ様子が、年下の男の子を感じさせる。

「好きな人の素直な表情が一番好きなんですよね。」

にこりと笑う大野くんは何でも包み込んでしまいそうだ。

「あの時のような女性特有の表情も…。」

「えっ?」

「郁美を俺だけのものにしたつもりだったんですけどね…。」

大野くんが何を言いたいのか、私にはさっぱり分からない。

「これだけ一緒に居て、部長も主任も本当の郁美の姿を知らない。」

そして大野くんはふぅーと大きく息を吐いた。

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